恐竜絶滅と巨大隕石—その真実と都市伝説
6600万年前、恐竜たちは地球の支配者でした。しかし、その恐竜たちを一瞬で滅ぼした出来事がありました。それは、メキシコのユカタン半島に衝突した巨大隕石の落下。この衝突によって恐竜時代は終焉を迎え、当時生息していた生物の約75%が絶滅したとされています。この衝撃的な事実は科学的に証明されているものの、その隕石がどこからやって来たのかについては、謎とともにさまざまな説や都市伝説が存在します。
巨大隕石の起源—最新の研究
2024年8月、ドイツのケルン大学の研究によって、恐竜を絶滅させた巨大隕石が木星軌道の外側で形成された小惑星であることが確定しました。この新たな発見は、恐竜絶滅に関するこれまでの常識を覆すものでした。研究チームが調査に使用したのは、「ルテニウム」という非常に珍しい元素です。このルテニウムは、地球の岩石にはほとんど含まれていないものの、小惑星では一般的に見つかる元素です。
そのため、チームは過去5億4100万年の間に地球に衝突した他の小惑星とのデータを比較することで、恐竜絶滅を引き起こした隕石が「炭素質コンドライト」というタイプの隕石であることを特定しました。この隕石は、木星軌道の外側に起源を持つとされ、S型小惑星と呼ばれる火星と木星の間にある「アステロイドベルト」ではなく、さらに外側にある天体から飛んできたものであったことが明らかになりました。
木星の重力と隕石の軌道変動
では、なぜこの巨大隕石は地球に向かって衝突することになったのでしょうか？現在の研究では、この隕石は他の小惑星との衝突によって軌道が変わり、木星の強力な重力に捕まり、最終的に地球に向かって飛んできたと考えられています。このようにして、6600万年前の大災害は引き起こされ、地球は一大転換点を迎えたのです。
幻の第5惑星とアステロイドベルト
さらに、科学者たちは、現在アステロイドベルトと呼ばれている領域がかつて1つの惑星であった可能性を指摘しています。この惑星は木星と火星の間に位置していたと考えられ、何らかの大規模な衝突によって崩壊し、その残骸が現在のアステロイドベルトを形成したのではないかと言われています。
この「幻の第5惑星」は、太陽系の進化の過程で重要な役割を果たした存在かもしれません。この惑星が破壊された結果として、宇宙に漂う多数の小惑星が生まれ、その一部が地球に向かって飛来するようになったのかもしれないのです。
惑星ニビルと第5惑星—都市伝説の中の真実
ここで、都市伝説に目を向けてみましょう。惑星ニビルという名前を聞いたことがあるでしょうか？これは、3600年ごとに太陽系を横切ると言われる仮説上の惑星です。この惑星ニビルが、第5惑星を破壊した張本人であり、その破片がアステロイドベルトを形成したという説があります。イスラエルの考古学者ゼカリア・シッチンが提唱したこの説は、科学的根拠に乏しいものの、多くの人々の興味を引きつけてやみません。
ニビルは「交差する」という意味を持ち、その軌道は非常に不規則で、太陽系の惑星たちと交差するように接近するというのです。そして、この惑星が地球に近づくたびに、大災害や大規模な地殻変動が引き起こされるともされています。つまり、6600万年前の恐竜絶滅も、ニビルの接近が引き金となったのではないか、という仮説が一部で信じられているのです。
恐竜は本当に絶滅したのか？
さらに興味深いのは、恐竜が本当に6600万年前に絶滅したのかという議論です。炭素年代測定の精度やその解釈に疑問を呈する説もあり、実際には恐竜がもっと最近まで存在していた可能性があるというのです。これは非常に挑発的な考え方であり、科学的にはまだ受け入れられていませんが、都市伝説や陰謀論の領域ではしばしば議論されています。
2025年のニビル接近予言
そして、2025年7月に再び惑星ニビルが太陽系に接近し、地球に大きな影響を与えると予言する声もあります。ニビルが接近するたびに、地球には異常気象や大規模な地殻変動が起こるという説です。実際、現在地球の北極の位置が徐々にずれているという報告もあり、これがニビルの影響であると信じる人もいるのです。
都市伝説が現実を侵食する瞬間
科学的な研究が進む中でも、私たちの想像力は常に新たな仮説やストーリーを生み出します。6600万年前の恐竜絶滅という史実に関しても、こうした都市伝説が絡み合い、その出来事に対する理解や解釈を複雑にしています。惑星ニビルや幻の第5惑星の物語は、私たちが未知の宇宙や時空をどれほど興味深く感じているかを物語っているのです。
結論として、恐竜を絶滅させた巨大隕石の起源は科学的には明らかになりつつありますが、それを取り巻く神秘的なストーリーは今後も多くの人々の関心を引き続けることでしょう。
